少年向け冒険小説を洋書で読む
昨年から英語の小説を少しずつ読んでいる。自分の英語力に合わせてそれほど難しくないものを、と探していくと、少年向け冒険小説に行き当たる。複数巻にわたるシリーズものがざくざく出てきて、紹介文を読んでいるだけでも楽しい。日本にはそういう小説があまりないからよけいにはまる。
そういう「シリーズものの少年向け冒険小説」について、Webや口コミで知って実際に読んだりいつか読もうと思っているものをここらでまとめてみる。原書と日本語版それぞれの第1巻のAmazon画像を貼っておく。
まずはちょっとでも原書を読んだことがあるものから。
- Darren Shanシリーズ(Darren Shan, 全12巻)
主人公Darren Shanが親友Steveと「Cirque Du Freak(奇人サーカス)」を観に行ったことから人生が狂い始める。彼はhalf vampire(半吸血鬼)になってしまい、家族とも離れ離れに。波乱万丈の旅が始まる。
ハリー・ポッターに比べれば知っている人は少ないが、日本ではマンガにもなっている人気シリーズ。3巻ごとに話が一段落するが、最終第12巻までつながっている。現在第8巻まで読んだ。緩急はあるものの退屈させない展開で、どんどん先を読みたくなる。吸血鬼ものだが、子供向けだけあってそれほど気持ち悪い描写は出てこない。英語はかなりやさしい。複雑な構文や難しい単語を使わないようにしているのがわかる。といってもあくまでネイティブの子供にとっての話で、私の知らない単語はたくさん出てくるが。
原書を読んだあとで日本語版を読むと、子供っぽい言葉で書かれているのでギャップを感じる。興味がある人は原書にトライするといいと思う。
著者の名前もDarren Shan。現在新シリーズ"Demonata"が順次刊行されている。こちらは全10巻らしい。
→ Darren Shan - Author of the Darren Shan Saga and The Demonata
→ ダレン・シャン
- Magic Tree Houseシリーズ(Mary Pope Osborne, 全28巻)
JackとAnnieの冒険。英語の小説の入門として読むのにちょうどいいかもしれない。私はまだ読んでいないのだが、妻がファンで、原書の方でもう20巻以上読んだらしい。英語はDarren Shanシリーズよりさらにやさしい。どの巻も数十ページしかなく、どんどん読み進めるはず。話は各巻一応完結しているが4巻ごとに一段落。ずっとつながっているわけではないので、全巻読まないといけないというプレッシャーはない。
シリーズ続編としてMerlin Missionsシリーズというのがあり、これを入れると全37巻になる。またMagic Tree House全28巻のうち15巻にはResearch Guidesという解説書が出ている。
→ Magic Tree House
- Harry Potterシリーズ(J. K. Rowling, 全7巻)
言わずと知れた、である。魔法使いHarry Potterの冒険。大人気のこのシリーズも最新7巻の"Harry Potter and the Deathly Hallows "で完結するらしい。
英語はかなり難しい。ネイティブの友人に聞いたら、子供向けといってもレベルの高い英語を使っていて、日本でいう小学校高学年以上が対象という感じだった。だいぶ前に、第1巻を日本語で読んだあと同巻の原書にチャレンジしたが挫折。いつか再挑戦したい。
作者のJ.K.Rowlingはイギリス人で、洋書はオリジナルUK版(イギリス英語)とUS版(アメリカ英語に「翻訳」したもの)の2つが出ている。第1巻はタイトルまで違う(UK版: "Harry Potter and the Philosopher’s Stone"、US版: "”Harry Potter and the Sorcerer’s Stone")。我々はUK版の方を読んだ方がいいと思う。日本人はアメリカ英語に慣れているからUS版の方がわかりやすいという話も聞くが、どうせなら作者の書いた原文を。
→ J.K.Rowling Official Site (日本語もあり)
- Keys to the Kingdomシリーズ(Girth Nix, 全7巻)
ぜんそく持ちのArthur Penhaligonは、学校の授業でクロスカントリーを走っている最中に倒れてしまう。そこにMister MondayとSneezerが現れ、時計の長針のようなもの(鍵)を渡す。
イギリス人の友人が第1巻をプレゼントしてくれたので、少しずつ読んでいる。全7巻のタイトルには順に曜日の名前がついている。英語の難易度はDarren ShanとHarry Potterの間ぐらいか。どうやら日本語版は出ていないらしい。
同じ作者のThe Seventh Towerシリーズも有名。
ここから先は評判を聞いているだけで全く読んでいない。
- His Dark Materialsシリーズ(Philip Pullman, 全3巻)
これもイギリス人の友人に勧められたのだが、まだ買っていない。英語はかなり難しいらしい。
第1巻のタイトルはUK版が"Northern Lights"、US版が"The Golden Compass"と異なっている。その理由は"FAQ for His Dark Materials: The Golden Compass"のページなどに書かれている。どうやら違うのはタイトルだけで、文章をアメリカ英語に変えているとかいうわけではないようである。
第1巻が映画化されるらしい("The Golden Compass")。アメリカでは今年12月に公開予定。
- Belgariadシリーズ(David Eddings, 全5巻)
「ベルガリアード物語」。いろんなところで人気が高い。Wikipediaを引用しておく。
主人公の少年・ガリオン(ベルガリオン)は、とある農園で『ポルおばさん』に普通の少年として育てられていた。時折おとずれる吟遊詩人『ミスター・ウルフ』は彼にさまざまな物語を語る。が、ある日突然、ガリオンは夜な夜な農園を離れ、長い旅路につくこととなる。
Wikipedia - ベルガリアード物語
その道中でミスター・ウルフが魔術師ベルガラスであり、ポルおばさんが彼の娘ポルガラであることを知ることになる。ふたりは数千年の長きにわたって予言の成就のために、その魔術と智恵で世界を邪神トラクの脅威から守り続けてきたこと、旅の目的は、現在は王のいない国・リヴァにあったアルダーの珠(The Orb of Aldur)(クトラグ・ヤスカ、Cthrag Yaska)を取り戻すことであったことを知る。
鍛冶屋のダーニク、商人にして軽業師のシルクといった仲間たちとともに旅をすすめるうちに、彼は己の秘めた力に気づき、出生の謎を解き明かしていくことになる。そして、彼は神々が長らく待ち続けた光の子であることも、トラクと戦うという宿命も知る。「どうして僕なの?」という問いかけもむなしく旅は続き、ガリオンは光と闇の対決へ向かうこととなる……。
続編のMalloreonシリーズも全5巻。
→ Jack's David & Leigh Eddings Site
- Rowan of Rinシリーズ(Emily Rodda, 全5巻)
作者はオーストラリア人。第1巻はオーストラリア最優秀児童図書賞を受賞。
リンの村を流れる川が、かれてしまった。このままでは家畜のバクシャーもみんなも、生きてはいけない。水をとりもどすために、竜が住むといわれる山の頂きめざして、腕じまんの者たちが旅立った。たよりになるのは、魔法をかけられた地図だけ。クモの扉、底なし沼、そして恐ろしい竜との対決…。謎めいた6行の詞を解きあかさなければ、みんなの命が危ない。
Amazon「ローワンと魔法の地図」: 内容(「BOOK」データベースより)
→ The Emily Rodda Website
→ リンの谷のローワン
- Deltora Questシリーズ(Emily Rodda, 全8巻)
Rowan of Rinシリーズと同じ作者の大人気シリーズ。日本ではアニメやゲームにもなっている。
ここはデルトラ王国。王家に伝わる七つの宝石の魔力が、国を守っている。その宝石が影の大王に奪われた! 国を救うため、少年リーフが一枚の地図を頼りに冒険の旅に出る…。愛と友情と闘いのファンタジー。
Amazon「デルトラ・クエスト〈1〉沈黙の森」: 内容(「MARC」データベースより)
- Neschanシリーズ(ネシャン・サーガ)(Ralf Isau, 全3巻)
非常に評判が高く、おもしろそうなのだが、原書はドイツ語なので私は読めない。気が向いたら日本語の方で読んでみるか。日本語では全9巻に分割したコンパクト版も出ている。
ネシャン北域の森で、少年は謎めいた杖を発見する。青い光を発する杖に五感はとぎすまされ、記憶や感情を伝える力まで強まるようだ・・・。夢と現実、2つの世界で展開される壮大なファンタジー。
Amazon「ネシャン・サーガ (1)」: 出版社/著者からの内容紹介
→ Ralf Isau - Schriftsteller und Phantast (ドイツ語)
→ ネシャン・サーガ