色覚異常(4) カラーユニバーサルデザイン

はてなで、カラーユニバーサルデザイン対応PCモニターのプレゼントキャンペーンが開催されている。自分のはてなダイアリーで「ナナオのカラーユニバーサルデザイン対応ワイドモニターが欲しい!」と書くと応募したことになる(これで応募完了)。

このモニター、色弱者でもわかるようなデザインをPCで作成するため、色弱者の見え方をシミュレートする表示モードに切り替えられるようになっているらしい。関連記事として以下が紹介されている。

きれいに色分けされた地図や建物の案内図、LEDの色が変わって状態を示すAV機器や携帯電話、アイコンや文字の色に機能を持たせたソフトウェアなど、日常生活で目にするさまざまなものに、色を使ったデザイン表現が使われています。それを見た人に分かりやすいようにと色を使って表現されているはずなのですが、実はそうしたデザインでかえって不便を感じている人も多いのです。

ITmedia News: 「カラーユニバーサルデザイン」って知ってますか?

この記事の中にピーマンの写真が2つあり、「(正常者と色弱者では)ピーマンの色の見え方もこんなに違う」と書かれているが、私にはほとんど区別がつかない。よーく見ると真ん中奥のピーマンだけはなんとか微妙に違う色に見えるが、他は全部同じに見える。長女に聞いてみたら全部違う色だと言っていた。

同じ色に見えるものを「こんなに違う」と言われてしまうと、自分は普通と違うのだということを改めて認識せざるを得ない。逆にいうと、これらの写真は色弱者の見え方をうまくシミュレートしているのかもしれない。ただ厳しいことを言えば、「こんなに違う」とだけ書くのは色弱者を読者として想定していない「カラーユニバーサルでない」書き方だとは感じる。どう違うのかテキストで補ってくれるとよかった。

人間の目の網膜には明暗を感じる「杆体」と色を感じる「錐体」という2種類の視細胞があり、さらに錐体には赤に反応するもの、緑に反応するもの、青に反応するものの3種類があります。これら錐体の有無や感度の違い・ずれなどによって色の感じ方に違いが出ます(詳しく知りたいかたはこちら)。
もっとも多いのは錐体が3つ揃っているC型色覚(一般型)で、日本人男性の約95%、女性の約99%以上がこの型です。次に多いのが緑に反応する錐体が無いか感度がずれているD型色覚(D型強度/D型弱度)で、日本人男性の約3.5%を占めます。その次に多いのは赤に反応する錐体が無いか感度がずれているP型色覚(P型強度/P型弱度)で、日本人男性の約1.5%を占めています。ここでは一般型以外、D型・P型などの型を持つ人を色弱者と呼びます。

同上

色覚異常(1) カーナビ」で書いたように私は赤緑色弱で、上記の分類でいうとD型だと思う。大学の時に受けた検査ではD1と書かれてあった。

C型(普通の人)、D型、P型の見え方をシミュレートした動画がYouTubeにアップロードされている(▲印をクリックすると再生できる)。

  • 色覚シミュレーション C型(一般型)

  • 色覚シミュレーション D型

  • 色覚シミュレーション P型


C型とD型を同時に再生してみると、これは一応違いがわかった。赤と緑に大きく変えてあるところがある。といっても、同じように見える部分で実は違っているところがあるのだろう。普通の人にどう見えるのかを知る方法がないのは残念である。