自己ベスト(小田和正)

自己ベスト

自己ベスト

その名の通りベストアルバム。変なタイトルに変なCM(小田和正が自転車で坂道をエッチラオッチラ上る)だった。

ベストアルバムはたいてい「曲の寄せ集め」に過ぎず、アルバム1枚聴いた時のまとまりがない気がするので、あまり買わない。買うのはだいたい、リミックス/リテイクで特に聴いてみたい曲があるとか、ムチャクチャ好きなアーティストでアルバムは全部買うと決めているとか、そういう場合だけである。このアルバムが出た時、オフコース時代の曲が全部一から録り直しらしい(ソロのアルバムだから当たり前だが)ので買ってもいいかなと思っていたら、いつの間にか妻が買っていて家にあった。ラッキー。二人とも好きそうなアルバムが出ると、若干チキンレースの様相を呈するのである。

うちの車にオフコース&小田和正ファンの友人を乗せていた時にこのアルバム(当然のように友人もすでに持っていたが)をかけたら、彼は「これ聴くとイライラする」と言い出した。オフコース時代の曲のアレンジが気に入らないという。特に「Yes-No」はオリジナルのイントロ(オフコースファンならすぐ頭の中で鳴りますね。あのイントロです)で始まらないと許せないらしい。「『ラブ・ストーリーは突然に』が元と変わってたら激怒するところだった」とも言っていた。結局オリジナルのアレンジでなければいけないということなのである。

そう言われて気がついたのだが、私も「さよなら」「Yes-No」「秋の気配」といった曲をどういうアレンジでやっているんだろうと楽しみにしていながら、いざ曲が始まると、オリジナルの方を聴きたくなる気持ちをガマンして聴いていたのだった。特にこのへんの曲は感受性の強い中学・高校時代に何度も聴いていて、その時の思い出と直結していたりするから、オリジナルアレンジの呪縛は生半可なものではない。新アレンジの方も、「Yes-No」なんかかなりいいと思うのだが。

過去に大ヒット曲を持っているアーティストというのは大変だなと思う。南こうせつは「ソロになってからしばらくは『神田川』から逃げたくて歌わなかった」と言っていたし、チャゲ&飛鳥(現CHAGE & ASKA)もしばらく「ひとり咲き」を歌わない時期があったという。逆に何年か前にポール・マッカートニーが日本に来た時、ライブをテレビで見たらあまりにもビートルズ時代の曲ばかりやるので「日本のファンが望んでいるとはいえ、もうそれでいいと割り切ってしまったのかな」と少し寂しい気持ちになった。

それにしてもこの「自己ベスト」、Amazonのカスタマーレビューではよってたかってボロクソに書かれている。やっぱりオフコースの曲をいじられるのは評判が悪いのか。曲の出来自体はそこまで酷評するほどのものでもないと思うけどな。